フロントガラス用接着剤は、ガラスを車体へ固定し、車体剛性や衝突時の安全性を支える自動車専用のウレタン接着剤です。製品選定だけでなく、プライマー処理、塗布、圧着、養生までを正しく行う必要があります。
高速道路で飛び石を受けてフロントガラスにヒビが入った――そんな経験はありませんか?
フロントガラスは単なる「窓」ではありません。車体剛性の一部を担い、衝突時にはエアバッグの展開を支え、ルーフの潰れを防ぐ構造部材です。
この記事では、プロの自動車ガラス交換で使用されるウレタン接着剤 Teroson BOND 60 の特長と正しい施工手順を解説します。
Teroson BOND 60 の特長
BOND 60は、自動車のフロントガラス・リアガラス接着専用に開発された1液湿気硬化型ウレタン接着剤です。
- 310mlカートリッジ — 標準的なカートリッジガンで使用可能
- 高い初期接着強度 — 圧着後の仮固定時間が短く、作業効率に優れる
- 湿気硬化型 — 空気中の水分と反応して硬化。加熱や混合が不要
- 耐候性・耐振動性 — 走行振動や温度変化に追従する柔軟性
- 低導電性 — ガラス周辺のアンテナ配線への電気的影響を抑制
ディーラーや専門のガラスリペアショップで広く採用されている、ガラス接着のスタンダード製品です。(旧製品名: PU 8597 HMLC)
接着工程に必要な材料
BOND 60でガラスを接着するには、接着剤本体に加えてプライマーが必要です。
| 材料 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| Teroson BOND 60(310ml) | ガラス接着 | 1液湿気硬化型ウレタン接着剤 |
| ALL IN ONE プライマー(25ml) | プライマー | ガラス面・ボディ面の下地処理用 |
| ウール刷毛 | プライマー塗布 | プライマーを薄く均一に塗る |
施工手順 — プライマーからガラス圧着まで
ガラス接着の工程は「清掃 → プライマー → 接着剤塗布 → 圧着 → 養生」の順に進みます。
1. ガラス面・ボディ面の清掃
旧接着剤の残りをカッターやスクレーパーで丁寧に除去します。ボディ側のフランジに旧接着剤を1~2mm程度残すのが一般的です。
2. ALL IN ONE プライマーの塗布
ウール刷毛にプライマーを少量取り、ガラスの接着面に薄く均一に塗布します。塗布後、10分以上乾燥させてください。
3. BOND 60 の塗布
310mlカートリッジをカートリッジガンにセットし、ノズル先端を三角形にカットします。ビードの太さは直径8~10mm程度が目安です。
4. ガラスの圧着・固定
接着剤を塗布したら、できるだけ早くガラスをボディに載せます。吸盤ハンドルを使い、一度で正しい位置に合わせてください。
5. 養生
硬化時間は気温と湿度に左右されます。養生中は車両を動かさず、ドアの開閉も最小限に抑えます。
用途別 接着剤の比較
| 製品 | タイプ | 硬化方式 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| EP 5075SB DC | 2液型エポキシ | 2液混合硬化 | 構造接着(金属・CFRP) |
| MS 9220 | 1液型変成シリコーン | 湿気硬化 | 弾性接着(内装パネル等) |
| BOND 60 | 1液型ウレタン | 湿気硬化 | ガラス接着専用 |
※ EP 5055(250ml 2液型エポキシ)は廃盤となりました。構造接着にはEP 5075SB DCをお求めください。