数字と用途を同じ表で確認する
耐熱値は商品の役割を理解したうえで参照します。
| 製品 | 資料記載の耐熱仕様 | 主な製品用途 | 数字だけでは判断できないこと |
|---|---|---|---|
| ジンクスプレー | 約600℃ | スポット溶接・MIG・半自動アーク溶接時の防錆 | 全ての溶接工法・塗布時点への適合 |
| 耐熱防錆スプレー ブラック | 約800℃ | マフラー、ブレーキドラム、ストーブ等の高温金属部の表面保護・防錆 | 対象部品への適合、加熱方法、他色への工程流用 |
| クリアUBCスプレー | 硬化後最大200℃ | 下回り、エンジン回り等の防錆 | 駆動部・熱交換パーツ・モーター・200℃以上の熱が発生する箇所は塗布禁止 |
参照:ジンクスプレー 製品情報、ジンクスプレー カタログ、耐熱防錆スプレー 製品情報、耐熱防錆スプレー カタログ、クリアUBCスプレー 製品情報、クリアUBCスプレー カタログ
溶接を伴う面はジンクの用途を確認する
ジンクスプレーは亜鉛の犠牲防食作用で鉄を保護し、カタログ上の用途はスポット溶接、MIG、半自動アーク溶接時の防錆です。耐熱約600℃という表示を、溶接時の温度や全工法への適合の意味に置き換えないでください。
実際の補修では、車両・設備の指定する工法、塗布する面、塗布のタイミングを先に照合します。溶接するから耐熱数字が高いものを選ぶ、という選び方だけでは工程を決められません。
高温の金属部と下回りを分けて考える
耐熱防錆スプレーのブラックは耐熱約800℃のつや消し黒色で、高温になる金属部の表面保護・防錆に使います。180℃以上の熱での強化条件はブラックの製品カタログに記載されています。
クリアUBCは下回りやエンジン回り等に使う半透明の防錆材で、硬化後耐熱温度は最大200℃です。駆動部、熱交換パーツ、モーター、200℃以上の熱が発生する箇所は塗布禁止です。禁止部位は、温度が200℃未満であっても対象になりません。
クリアUBCは15〜30℃の環境で施工し、塗布面の汚れや油脂分を落として完全に乾かします。これは塗布時の周囲環境で、硬化後の最大耐熱温度200℃とは異なる条件です。
参照:耐熱防錆スプレー 製品情報、耐熱防錆スプレー カタログ、クリアUBCスプレー 製品情報、クリアUBCスプレー カタログ
材料を選ぶ前に確認すること
用途や材質が明記されていない場合は、耐熱数値の大小で代替品を選ばず、製品名と対象部位を添えて個別に確認してください。
たとえば同じ車両でも、溶接を行う接合面、高温になる排気部、下回りの露出金属面では必要な材料の役割が異なります。作業箇所を部品単位で分けてから、使用温度、塗布禁止部位、補修手順を照合すると、数字だけで製品を選ぶ誤りを避けやすくなります。
使用温度が分からない部位は、製品の耐熱数値だけで判断せず、整備資料や機器の仕様を確認してから選定します。
- 部品は溶接工程なのか、常時高温になる金属面なのか、下回りなのか。
- 部品の使用温度と、製品が示す耐熱仕様・塗布禁止部位。
- 塗布前の下地、乾燥、後工程と車両・設備の補修指定。
- 数字が施工可能温度・溶接温度だと誤読していないか。
