防錆

ジンクスプレーと錆転換剤の違い|溶接部と赤錆の処理を分ける

ENDOXジンクスプレーの商品写真

ENDOXジンクスプレー。スポット溶接・MIG溶接時の防錆用途。

ジンクスプレーと錆転換剤は、どちらも防錆を目的に使われますが、対象にする作業が異なります。溶接を伴う金属面の防錆ならジンクスプレー、赤錆が出た面の下地処理なら錆転換剤RSを候補として、施工部位から確認します。

ジンクスプレーの耐熱600℃は、あらゆる溶接条件への適合を示す温度ではありません。また、RSが赤錆用であることから、溶接プライマーとして使えると推定することもできません。車両や設備の補修指示と、それぞれの製品カタログを照合してください。

目的から選ぶ比較表

材料名の印象ではなく、赤錆の処理なのか溶接工程なのかを先に区別します。

確認項目ジンクスプレー錆転換剤RS
製品資料の主な用途スポット溶接、MIG・半自動アーク溶接時の防錆赤錆が発生した金属面の防錆下地処理
製品の特徴亜鉛粉を含み、亜鉛の犠牲防食作用で鉄を保護赤錆を黒錆状に転換し、表面に防錆塗膜を形成
施工前錆、油分、ほこりを除去。工法・塗布時点を確認浮いた赤錆、油分、ほこりを除去して乾燥
資料にある数値耐熱約600℃、400ml、乾燥塗膜の亜鉛分90%ハケ500ml、スプレー400mlなどタイプ別
使う判断溶接部位と指定された溶接工程に合わせる赤錆面と、その後の塗装・補修工程に合わせる

参照:ジンクスプレー 製品情報、ジンクスプレー カタログ、錆転換剤RS 製品情報、錆転換剤RS カタログ

溶接工程は工法と塗布時点を照合する

ジンクスプレーのカタログは、スポット溶接についてウェット・ドライいずれにも適すると説明し、MIGや半自動アーク溶接も用途に挙げています。使用方法は、錆・油分・ほこりを除去し、缶を約2〜3分振って25〜30cm離し、薄く2度吹きするよう案内しています。

これらの製品記載は、溶接する部品や接合方式に対する車両メーカーの補修指示を置き換えるものではありません。耐熱600℃という数値から、溶接中の使用条件や全ての接合方法に適合すると判断せず、塗布面・工程・後処理を作業前に照合します。

施工方法にも違いがあります。ジンクは缶を約2〜3分振り、25〜30cm離して薄く2度吹きする記載です。RSはハケまたはスプレーで薄く塗り、色変化を見て薄く2度塗りする案内です。どちらも薄塗りが基本ですが、容器の扱いや距離など各製品固有の手順を共通化せず、それぞれのカタログに従います。

参照:ジンクスプレー カタログ

赤錆面はRSの下地処理条件を見る

錆転換剤RSのカタログは、浮いた赤錆が残ると完全に転換しないため除去し、油分やほこりを落として乾燥させるよう示しています。薄く塗布し、色が濃灰色から黒色へ変化したら薄く2度目を塗る手順です。

塗装やパテへ進む場合は、乾燥状態を確認し、軽く足付けしたうえで2液プライマーサフェーサーを入れます。RSは赤錆面の下地処理用であり、溶接用途へ読み替えず、車両・設備の指定工程に沿って材料を選びます。

参照:錆転換剤RS カタログ

作業前に整理する3項目

溶接と赤錆処理が同じ部品に含まれる場合も、どの面をどの材料で処理するかを工程ごとに分けて考えます。指定が確認できない場合は、製品の耐熱温度や色だけで代替を決めず、材料名と工法をそろえて確認してください。

赤錆面の処理と溶接の両方が一つの補修範囲にある場合は、車両の補修要領に沿って作業区画と工程を分けて記録します。二つの材料を重ねる順番も、車両・製品の指定工程に従って決めます。

製品を選ぶ相談では、赤錆の写真だけでなく、溶接の有無と予定する接合方法も添えると、用途の取り違えを減らせます。

  • 赤錆面の処理か、これから行う溶接工程か。
  • 施工部位、金属面の状態、溶接方法と塗布のタイミング。
  • 補修指示と製品カタログにある後工程・乾燥条件。

参照:ジンクスプレー カタログ、錆転換剤RS カタログ

よくある質問

ジンクスプレーは錆転換剤の代わりになりますか?+
製品資料が示す用途が異なります。ジンクは溶接時の防錆、RSは赤錆面の下地処理を主な用途としており、同じ材料として置き換えられるとは判断できません。
ジンクスプレーの耐熱600℃なら、すべての溶接に使えますか?+
耐熱仕様だけで溶接方法や塗布時点への適合は決まりません。補修指示、溶接工法、ジンクの製品資料を照合してください。

参考資料

  1. ジンクスプレー 製品情報

    現行用途と製品仕様。

  2. ジンクスプレー カタログ

    用途、耐熱仕様、溶接方式、施工方法と乾燥値。

  3. 錆転換剤RS 製品情報

    現行用途と容器タイプ。

  4. 錆転換剤RS カタログ

    赤錆面の前処理、塗布、乾燥と後工程。

この記事で扱う製品

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