小範囲か広い施工かで方法を分ける
まず傷の範囲、既存塗膜の種類、下地まで露出しているかを確認します。SB3120は既存アンダーボディコーティングの補修・塗り足しに使うスプレーとして案内され、ロッカーパネル、タイヤハウス、ステップなどがカタログ用途に含まれます。
まとまった面積を施工する場合は、1L材料用のガンやエアレス施工のほうが作業に合うことがあります。スプレー缶一本で何平方メートル塗れるかは、資料の記載だけで車両ごとに計算できません。
| 施工の状況 | 方法の候補 | 作業前の確認 |
|---|---|---|
| 狭い傷・局所の塗り足し | SB3120などタッチアップスプレー | 既存膜との密着、端部、噴射パターン |
| 広い範囲の再施工 | ガン・エアレスの材料 | 材料の容器、施工機、製品別膜厚 |
| 既存膜が浮く・剥がれる | 下地補修を先に判断 | 塗膜だけで損傷を覆わない |
既存塗膜と損傷範囲を点検する
SB3120のカタログは、PVC、ビチューメン、ゴム系、樹脂系の塗膜へ追加する用途を示しています。ただし、材質が一致するだけで、劣化・汚れ・剥離した塗膜すべてへ使えるとは限りません。
塗膜の端を見て浮きや剥がれ、下地の腐食穴がないか確認します。SB3120の製品情報は、施工前に既存被膜との密着性を目立たない箇所で確認するよう案内しています。密着不良がある場合は塗り足しだけで済ませないでください。
噴射パターンと施工温度を守る
SB3120にはノズルが二種類付属し、既存の塗肌に合わせて噴射パターンを切り替える仕様です。カタログはパターンの選択方法を示していますが、独自の名称や吹付け圧力までは示していません。小範囲で確認してから対象面へ使います。
カタログに記載された塗布可能温度は15〜25℃です。缶を振るときは撹拌ボールの音がしてからさらに約1分振る手順があり、使用後は缶を逆さにしてガスが出るまで空吹きします。
スプレー塗布は缶を対象面に近づけすぎる、同じ位置へ集中させるなどで局所的に厚くなる可能性があります。カタログにある400〜500μmは乾燥後膜厚の製品仕様であり、個別の吹付け時間や距離を示してはいません。薄く均一な塗膜を確認し、製品の使用説明に従います。
塗布しない部位を先にマスキングする
SB3120の注意事項では、接合部、エンジン、駆動部、プロペラシャフト、エキゾースト、ブレーキ系への塗布を禁止しています。補修箇所だけを見てスプレーすると、飛散が禁止部位に届く可能性があるため、周囲を確認して塗布範囲を限定します。
車両の整備要領や既存の補修指定がある場合はそれを優先します。スプレーを使う前に周囲を保護し、対象部位の可動・発熱の状態を確かめます。
- 接合部や可動部との距離
- プロペラシャフト・排気・ブレーキ系の位置
- 噴射方向と周辺への飛散
- 作業後に塗膜端部と塗り残しを確認できる範囲
補修後は端部と塗膜状態を記録する
施工後は端部が浮いていないか、意図しない部位へ飛散していないか、塗膜が連続しているかを目視します。SB3120の乾燥膜厚は400〜500μmと資料にありますが、これを何回吹けばよいかという回数の指定には読み替えません。
補修日、使用製品、施工範囲、既存塗膜の状態を写真とともに記録すると、次回点検の比較ができます。走行・洗車開始時刻は資料にないため、この乾燥膜厚や使用温度だけから決めないでください。
補修後に既存塗膜との境目を記録しておけば、後日剥がれが出た際に原因を調べやすくなります。補修部分の前後写真に製品名と施工日を添え、別のスプレー材を重ねる場合は、適合を確認してから行います。
スプレー缶を使用する場所では、周囲へ噴霧が広がる範囲を見込んで養生します。対象面の裏側や隣接部品へ材料が付着した場合に除去できるかも、塗布範囲を決める前に確認します。製品カタログにない洗浄剤で無理に拭き取る手順は追加しません。
