トラック・積載車の荷台防錆ガイド|錆転換から上塗りまでの正しい手順

トラックや積載車の荷台は、荷物の積み下ろしで塗膜に傷がつきやすく、雨水が溜まりやすい構造をしています。走行中の振動で微細なクラックが入り、そこから水分が浸透して錆が広がっていく――荷台は車体の中でも特に錆の温床になりやすい部位です。

荷台の錆を放置すると、鉄板が痩せて強度が落ち、最悪の場合は荷物を載せたときに床が抜ける危険もあります。この記事では、荷台の防錆に適した製品の選び方と、錆転換から上塗りまでの正しい施工手順を解説します。

荷台の部位別・製品の選び方

荷台といっても「積載面(上面)」と「裏面・フレーム」では求められる性能が違います。それぞれに適した製品を選ぶことが重要です。

Teroson SB S3000

UBC-R 2896

錆転換剤RS 500ml

荷台の積載面(上面)には SBS3000

荷台の積載面には、チッピングコート剤のSBS3000を推奨します。SBS3000は完全硬化するため、荷物の積み下ろしによる摩擦や衝撃に耐えられます。硬化後はやや柔らかい仕上がりになりますが、これは耐震性と吸音性を兼ね備えた設計によるものです(後述のFAQも参照)。上塗り塗装も可能なので、荷台の色に合わせた仕上げができます。

実際にQ&Aでも「積載車の荷台に使う防錆剤」としてSBS3000が案内されています。

荷台の裏面・フレームには UBC-R2896 または UBC-HB2700

荷台の裏面やフレーム部分は、荷物が直接触れないため耐摩耗性よりも防錆性能を重視します。

  • UBC-R2896 — ゴム質/樹脂系アンダーコート。完全硬化し、上塗り塗装が可能。荷台裏面からフレームまで幅広く使える定番品
  • UBC-HB2700 — ビチューメン系。塩水噴霧試験1000時間クリアの高い防錆性能。塩害地域や海沿いを走るトラックに最適。ただし半乾燥タイプのため、荷台の積載面には不向き(表面がベタつくため荷物に付着する)

注意:木製の荷台床には使えません

平ボディトラックの中には荷台の床が木製のものがあります。木部の腐食は金属の錆とは原因が異なるため、SBS3000やアンダーコートでは対処できません。木製の荷台床には、木部用の防腐塗料メーカーに相談してください。

施工手順 — 錆転換から上塗りまで

ENDOX 錆転換剤RS 500ml(ハケ塗りタイプ)

荷台の防錆は「錆を止める → 下地を作る → 防錆剤を施工する」の順番が基本です。特に錆転換剤RSの上塗りは完全乾燥後にしか行えません。この順序を守らないと、塗膜の密着不良や剥がれの原因になります。

Step 1:荷台の洗浄・脱脂

荷台に付着した泥、油分、荷物の残留物を高圧洗浄で除去します。油脂が残っていると塗膜が密着しないため、脱脂は丁寧に行ってください。洗浄後は十分に乾燥させます。

Step 2:浮き錆を金ブラシで除去

浮いた赤錆を金ブラシやサンドペーパーで物理的に落とします。浮き錆が残ったまま錆転換剤を塗っても、奥まで転換しきれないことがあります。表面がザラつく程度まで錆を落とせば十分です。

Step 3:錆転換剤RSを塗布

赤錆が出ている箇所に錆転換剤RSを塗布します。500mlのハケ塗りタイプはピンポイントで使いやすく、荷台の部分補修に向いています。広い面積に施工する場合は400mlスプレータイプも選択肢です。

塗布後、タンニン成分が赤錆を安定した黒錆に化学変換します。表面が黒く変色したら2度塗りすると防錆効果が高まります。

Step 4:完全乾燥後、足付けからプラサフ

錆転換剤RSが完全に乾燥するまで待ちます(気温20℃前後で2〜3時間、低温時は4〜6時間以上)。完全乾燥を確認したら、不織布研磨剤やサンドペーパーで軽く足付けし、プラサフ(プライマーサーフェーサー)を吹きます。この工程が上塗りの密着を左右する重要なステップです。

Step 5:SBS3000 または UBC-R2896 を施工

荷台の積載面にはSBS3000を、裏面・フレームにはUBC-R2896をそれぞれ施工します。エアガンを使用する場合は20〜30cm離して均一に吹き付けてください。推奨膜厚は0.5〜1.0mm。厚塗りしたい場合は一度に厚く塗らず、0.5〜1mm塗って乾燥させてから重ね塗りします。

Step 6:必要に応じて上塗り塗装

SBS3000もUBC-R2896も完全硬化後に上塗り塗装が可能です。荷台の色に合わせたい場合や、さらに耐久性を高めたい場合は上塗りを検討してください。

SBS3000 vs アンダーコート — 荷台用途の比較

荷台にはどの製品が合うのか、用途別に比較します。

SBS3000UBC-R 2896UBC-HB 2700
種類チッピングコート剤ゴム質/樹脂系アンダーコートビチューメン系アンダーコート
硬化完全硬化完全硬化半乾燥
硬化後の質感やや柔らかい(耐震性・吸音性)硬い弾力あり
上塗り塗装可能可能不可
耐塩害
荷台の積載面◎(推奨)×(ベタつく)
荷台の裏面◎(推奨)◎(塩害地域)

積載面はSBS3000、裏面・フレームはUBC-R2896が基本の組み合わせです。塩害地域で裏面の防錆を強化したい場合のみUBC-HB2700を選んでください。

よくある質問

荷台の木の床に SBS3000 やアンダーコートは使えますか?

使えません。木部の腐食は金属の錆とはメカニズムが異なります。木製の荷台床には、木部用の防腐塗料メーカーに相談してください。SBS3000やアンダーコートは金属面専用です。

SBS3000 は硬化後に柔らかいですが問題ありませんか?

問題ありません。SBS3000は耐震性と吸音性を確保するために、硬化後もやや柔軟性が残る設計です。荷物の積み下ろし時の衝撃を吸収し、振動による塗膜のクラックを防ぐ効果があります。完全に硬化しており、ベタつくことはありません。

厚塗りしたい場合はどうすればいいですか?

1回の塗布は0.5〜1mmに抑えてください。一度に厚く塗ると、表面だけ乾燥して内部が固まらない「乾燥不良」の原因になります。0.5〜1mm塗布したら十分に乾燥させ、その上に重ね塗りしてください。2回塗りで1〜2mmの膜厚を確保できます。

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