塗布前に車種別の指示を確認する
車両の下面には高電圧系、配線、熱交換器、可動部などが配置され、位置やカバー形状は車種ごとに異なります。型式・年式・駆動方式に合う整備要領や車両メーカーの防錆指定で、塗布禁止部位とマスキング範囲を確認してください。
クリアUBCの製品資料はハイブリッド車の下回り用途を示していますが、全車種・全部位の認証や適合表ではありません。使用可否は材料側と車両側の両方を見て決めます。
車両の型式が似ていても、年式・駆動方式・装備の違いで部品配置が変わる場合があります。施工情報は車台番号や型式に合うものを用意し、別車種の写真や一般図をそのまま作業指示に使わないようにします。
| 場所・状態 | 資料上の注意 | 施工前に行う判断 |
|---|---|---|
| 駆動部・モーター | HB2700・R2896・クリアUBCで塗布禁止 | 車両図面で位置を確認し施工範囲から外す |
| 熱交換部品 | 各製品資料で塗布禁止 | 放熱・冷却を妨げない範囲を指定資料で確認 |
| 200℃以上となる場所 | クリアUBCで塗布禁止 | 温度条件が不明なら施工しないで確認 |
| 可動部・高温箇所 | 材料ごとに注意書きを確認 | 整備要領を優先しマスキング範囲を確定 |
製品の「HV用途」を範囲限定で読む
クリアUBCスプレーは、ハイブリッド車の下回り用として案内され、半透明で配線などが見えやすい特徴を示しています。これは製品の用途情報であり、すべての配線やコネクターに塗布可能という意味ではありません。
車両側が電装部品や高電圧部への塗布を禁じている場合、その指定が優先です。半透明の被膜越しに見えることを理由に、塗布禁止範囲を縮小しないでください。
クリア材の施工温度と耐熱条件を分ける
クリアUBCの資料は、施工環境15〜30℃、完全乾燥後の耐熱温度200℃を記載しています。また、駆動部・熱交換部品・モーター・200℃以上となる場所に塗らないよう注意しています。硬化後耐熱温度を使って、施工中の加熱や別用途への適合を推定できません。
使用前は汚れや油脂分を除去して完全乾燥し、換気を確保します。現場の部品温度が不明、熱の影響を受ける部位に近いなど、判断がつかない場合はメーカーへ場所を伝えて照会します。
黒色アンダーコートの禁止部位も確認する
HB2700とR2896の資料も、駆動部、熱交換部品、モーター、熱が発生する箇所への塗布を禁止しています。クリア材だけを特別扱いせず、選んだ製品の注意事項を一つずつ確認します。
「クリア材なら熱や電装に安全」と一括りにすることはできません。製品ごとに禁止範囲や温度の表し方が異なるので、作業票には商品名と除外部位を記載します。
作業範囲のマーキングと施工後確認
車両を確認する担当者が、塗布可能範囲と除外範囲を施工図または写真上で共有します。防錆材がかかってはいけない部分は、施工開始前にマスキングし、塗布後は飛散・付着の有無を確認します。
位置が特定できない配線や部品、車両メーカーの指定が確認できない箇所は、作業範囲から外して照会します。車両固有の指定を推定して作業を進めないことが、製品選びより先の判断です。
施工範囲を写真に残す場合は、車両全体が分かる画像と、部位を特定できる近接画像を組み合わせます。未確認箇所を「塗布済み」と誤認しないよう、作業記録には施工した範囲と除外した範囲を分けて記載します。
高電圧関連部位の作業は、車両メーカー指定の手順と資格要件に従います。整備要領にないカバーの取り外しや配線の移動は行わず、対象範囲が不明な場合は車両メーカーまたは整備担当へ照会してください。
作業終了後には、施工記録の写真と作業前の車両資料を照合し、除外部位へ材料が付着していないか点検します。位置が判別しづらい部分は、作業中に指差し確認する工程を設けて記録に残します。除外部の確認は塗布後の仕上がりでは代替できないため、施工前から担当者を決めておきます。
- 車両型式・年式に合った整備要領を用意
- 駆動・高電圧・熱交換・可動・高温部の範囲をマーク
- 材料名ごとの塗布禁止条件を照合
- 施工後にマスキング部や禁止部への飛散を確認
