防錆

アンダーコートは何時間で乾く?指触乾燥・完全乾燥と工程の組み方

UBC-R 2896の製品写真

乾燥時間は測定条件と次工程の指定を合わせて確認します。

「乾いた」と感じるまでの指触乾燥と、塗膜全体が乾く完全乾燥は同じではありません。製品の数字を比べるときは、温度、湿度、膜厚を一緒に見ないと、どちらが早いかだけで作業順を決められません。

HB2700とR2896はカタログに測定条件が記されています。異なる条件の時間を単純なランキングにせず、現場の温度・塗布厚と照らして工程の待ち時間を組みます。

指触乾燥と完全乾燥を分ける

指触乾燥は表面を軽く触れたときの状態を示す試験値で、塗膜全体の乾燥とは別の指標です。次の塗装、車両を戻す、洗車するなど、作業目的ごとの許可時間を示しているとは限りません。

工程表には「指触」と「完全乾燥」を別の欄に記録し、追加塗布や上塗りの判断に使う値を取り違えないようにします。資料に書かれていない走行・洗車開始時間を乾燥値から計算して補わないでください。

製品指触乾燥の目安完全乾燥の目安測定条件の読み方
UBC-HB 2700約120分約10時間20℃・1mm厚
UBC-R 2896約45分約120分20℃・65%RH・600μm
UBC-HB 5700約75分約3.5時間指触・完全乾燥とも25℃・0.6mm
UBC-RR 2000約5分約60分指触・完全乾燥とも25℃・1mm

参照:UBC-HB 2700 製品カタログ、UBC-R 2896 製品カタログ、UBC-HB 5700 製品カタログ、UBC-RR 2000 製品カタログ

異なる膜厚の数字を同条件の順位にしない

HB2700は20℃・1mm厚、R2896は20℃・65%RH・600μmで記載されています。膜厚も湿度も異なるため、「R2896のほうが何分早い」と数字だけを比べても、同じ条件での差を示すことにはなりません。

HB5700は25℃・0.6mm、RR2000は25℃・1mmの条件で示されています。4製品の温度や膜厚、湿度が揃っていないため、乾燥時間だけを並べて速さの順位をつけず、それぞれの条件を表と一緒に読みます。

工程表には製品名、温度、湿度、膜厚、指触か完全乾燥かをセットで転記します。現場条件が違う場合は、その条件をメーカーに伝えて乾燥状態と次工程を確認します。

参照:UBC-HB 2700 製品カタログ、UBC-R 2896 製品カタログ、UBC-HB 5700 製品カタログ

R2896は自然乾燥を守る

R2896カタログは、強制乾燥させると縮む場合があるため自然乾燥するよう記載しています。短縮したいからと、ヒーターを当てる・熱源の近くへ置くといった独自手順は加えません。

上塗りする場合は完全乾燥後が指定されています。2液塗料を使用するときは適切なプライマーが必要です。乾燥時間に達しても、対象塗料やプライマーの指定が整っているかは別に確認します。

参照:UBC-R 2896 製品カタログ

作業枠は待ち時間と確認点で組む

複数工程の予定では、吹付け時刻、材料名、気温・湿度、塗布厚、次工程、製品資料上の乾燥条件を記録します。製品値の時間が経過したことだけで、次工程へ進む判断を自動化しないようにします。

HB2700は表面乾燥後もわずかにタックが残ると資料にあります。触感だけで完全乾燥や使用再開を判断せず、材料の注意事項を共有して仕上げ・移動の段取りを組みます。

  • 指触乾燥と完全乾燥の欄を分ける
  • 現場温度・湿度と塗布厚を記録する
  • 上塗り条件は塗料側の指定も照合する
  • 走行・洗車可否は別の根拠を確認する

参照:UBC-HB 2700 製品カタログ、UBC-R 2896 製品カタログ

資料条件と合わないときは確認する

低温、厚塗り、通風不足などでカタログ条件と現場が異なる場合は、対象製品・塗布厚・現場温湿度・次工程をメーカーへ伝えて確認します。掲載時間だけを保証値として扱わず、余裕を持った作業枠を確保します。

確認結果と使用した資料の版を工程表に残します。複数の材料を使う現場では、材料ごとに乾燥開始時刻と次工程を記録し、開始時の条件だけから終業時刻を見積もらないようにします。

HB5700の指触乾燥約75分・完全乾燥約3.5時間は25℃・0.6mm、RR2000の約5分・約60分は25℃・1mmで示されています。塗布厚が違えば同じ材料でも乾き方が変わるため、予定する膜厚が資料条件と合うかを確認します。

乾燥を待っている間に別の工程を進める場合は、材料名と施工範囲を作業札へ書き、触れてよい面を取り違えないようにします。作業の完了条件は乾燥値だけでなく、製品に指定された次工程の条件と合わせて決めます。

参照:UBC-HB 2700 製品カタログ、UBC-R 2896 製品カタログ、UBC-HB 5700 製品カタログ

よくある質問

指触乾燥になれば走行できますか?+
指触乾燥は走行可能時刻を示す値ではありません。製品資料と車両側の指定を確認し、走行・洗車などの判断は別に行ってください。
R2896をヒーターで早く乾かせますか?+
カタログは強制乾燥で縮む場合があるため自然乾燥するよう記載しています。独自の加熱は加えず、資料に従ってください。

参考資料

  1. UBC-HB 2700 製品情報

    容量・用途・施工条件・乾燥値・注意事項を確認する一次資料。

  2. UBC-R 2896 製品情報

    上塗り条件、施工膜厚、自然乾燥、乾燥値と注意事項を確認する一次資料。

  3. UBC-HB 5700 製品情報

    粘度と乾燥の製品情報を確認する一次資料。測定条件は資料の記載範囲を併記。

  4. UBC-RR 2000 製品情報

    製品の乾燥値を含む一次資料。本文では未確認の測定条件を数値比較に使わない。

  5. UBC-HB 2700 製品カタログ

    容量・用途・施工条件・乾燥値・注意事項を確認する一次資料。

  6. UBC-R 2896 製品カタログ

    上塗り条件、施工膜厚、自然乾燥、乾燥値と注意事項を確認する一次資料。

  7. UBC-HB 5700 製品カタログ

    粘度と乾燥の製品情報を確認する一次資料。測定条件は資料の記載範囲を併記。

  8. UBC-RR 2000 製品カタログ

    製品の乾燥値を含む一次資料。本文では未確認の測定条件を数値比較に使わない。

この記事で扱う製品

製品の仕様や材料の適合はENDOへ、車両や設備の点検・修理・施工は各分野の整備工場・施工店へご相談ください。

製品の仕様・適合を相談