どの製品の上に塗るのか特定する
塗装の可否を調べるときは、先に下地の製品名、色、容器、施工時期を特定します。カタログには上塗り可能と書かれた製品も、塗料の種類や乾燥状態が違えば同じ工程で処理できるとは限りません。
R2896のカタログは上塗り前に完全乾燥させるよう示し、2液塗料についてはプライマー塗布後に上塗りする条件を記載しています。塗料側の塗装仕様と併せて確認してください。
| 対象材料・塗料 | 確認する条件 | 次工程の見方 |
|---|---|---|
| UBC-R 2896 | 完全乾燥、自然乾燥 | 上塗り可能の製品説明を確認 |
| 2液塗料 | R2896の完全乾燥後、適切なプライマー | プライマーと塗料の指定を照合 |
| UBC-HB 2700など他の下回り材 | 製品別の上塗り適合 | R2896の条件を転用しない |
| チッピングコート | その製品の塗料密着性・乾燥条件 | 下地をR2896と同じと扱わない |
R2896は自然乾燥から完全乾燥まで待つ
R2896資料は、塗布面の汚れ・油分・浮き錆を除去して乾燥させ、必要に応じて足付けするよう説明しています。塗布後は強制乾燥で縮む場合があるため、自然乾燥を指定しています。
カタログの完全乾燥値は20℃・65%RH・600μmで約120分です。現場の膜厚や温湿度がこの条件と異なると同じ時間で乾くとは限らないため、数値だけで上塗り可能と決めず、製品の注意事項と塗料の仕様を確認します。
2液塗料はプライマーの指定を確認する
R2896資料は、2液塗料を使う場合にプライマーを塗布した後で上塗りするよう記載しています。ここでいう「適切なプライマー」は製品名まで指定されていないため、任意のプライマーを選んでよいとは解釈できません。
プライマーの適合表、塗布後の乾燥、塗料側の指定を確認し、選定根拠を残します。塗料メーカー・プライマーメーカー・R2896の製品資料の間で条件が異なる場合は、組合せの適合を問い合わせてから作業します。
同じ「2液塗料」という呼び方でも、塗料系統やメーカーによって必要な下塗り・乾燥条件が異なります。品名が分からないときは、塗料の缶ラベルや仕様書から品番を確認して照会し、一般的なプラサフならよいと代用しないでください。
他製品の仕様を横展開しない
HB2700のカタログは、通常使用ではプライマー不要と記載し、R2896のような上塗り条件を示していません。プライマー不要という説明を、上塗り可能という意味に読み替えることもできません。
チッピングコートは製品ごとに研磨性、乾燥、塗料密着の特徴が違います。製品ページに「サンディング可能」「塗料密着性」といった案内があっても、R2896を上塗りする工程へそのまま適用せず、別の材料として仕様を照合します。
上塗り前に残す記録
作業の引継ぎに備え、下地材の製品名、塗布日、温湿度、塗布厚、乾燥方法、プライマー名、上塗り塗料を記録します。塗膜の状態や密着に不安があれば、端部などで小範囲の試験を行うか、メーカーに組合せを確認します。
強制乾燥の設備がある場合も、R2896については自然乾燥の指定が優先です。短縮を目的に加熱を独自追加せず、次工程の予定を見直します。
補修範囲の端や目立たない位置で確認する場合も、試験面をどこに作ったか、塗料を何回塗ったかを記録します。密着・膨れ・縮みなどの変化が見られる場合は、広い範囲へ展開せず、材料の組合せをメーカーへ照会します。
塗装の仕上がりに影響するのは、上塗り材だけでなく、旧塗膜、プライマー、乾燥状態の組合せです。上塗り可能という一文を単独で使わず、各工程に対応する仕様書をそろえて作業者が同じ順番で確認できるようにします。
塗装工程を急ぐ場合ほど、製品の完全乾燥時間を施工予定へ反映します。R2896は強制乾燥で縮む可能性が資料に記載されているため、乾燥設備の空き状況を理由に独自の加熱へ切り替えないでください。必要なら作業枠を組み直すか、メーカーの確認を得ます。
- 下塗り材を製品名で特定する
- R2896なら完全乾燥と自然乾燥を守る
- 2液塗料ならプライマーを選定・照合する
- 塗料側の施工仕様と現場条件を記録する
